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「ちょっとしたことで、ついイライラしてしまう」
「部下や後輩への怒りが抑えられない」
このような悩みをお持ちではないでしょうか。
自分勝手な怒りを他人にぶつけてしまった後で、後悔することが多いという方もいらっしゃることでしょう。
また、仕事で感情的になると私生活にも影響がでるのでワークライフバランスにも支障をきたします。
この記事では、怒りと正しく向き合うための「アンガーマネジメント」について解説します。
アンガーマネジメントとは
アンガーマネジメント(英:Anger Management)とは怒りをコントロールする手法であり、1970年代にアメリカから広まった考え方です。
日々の仕事や生活の中でふいに抱いてしまう「怒り」や、他人から受ける「怒り」の感情に振り回されず、それらをコントロールし上手に付き合うことで、生活をより快適にしていくことを目的としていた心理教育、心理トレーニングです。
日本においては2014年ごろから「アンガーマネジメント」という言葉が広がり始め、日本アンガーマネジメント協会が主催する講座・研修には、これまで述べ100万人が参加しており、ビジネスの現場での重要性が高まっています。
参考サイト:日本アンガーマネジメント協会
アンガーマネジメントは怒りをコントロールする
アンガーマネジメントの目的は、怒りを「コントロール」することであり、「抑える」ことではありません。
思い通りに行かないことやその時々の気分で「怒り」や「イライラ」の感情が生まれてしまうことは仕方ないことです。
大切なのはその怒りを自分のコントロール下に置くこと。アンガーマネジメントは、感情に任せて他人や物にあたってしまったり、誰かを不快な気分にさせてしまうことを防ぎます。

信頼関係の構築につながる
アンガーマネジメントの効果は、自分自身の精神状態を安定に保つだけでなく、他者との信頼関係の構築にも繋がります。
カッとなってつい発してしまった言葉をきっかけに、友人や恋人などとの関係が悪くなってしまった、といった経験を持っている方もいらっしゃることでしょう。
プライベート・ビジネスに関わらず怒りの感情に任せた発言や行動がプラスの方向に働くことは少なく、自分の発言や行動をきっかけに自己嫌悪に陥るケースもあります。
アンガーマネジメントを学び、怒りのコントロール方法を身につけることで、他者との衝突を最小限に抑えてよりスムーズなコミュニケーションを可能します。
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そもそも「怒り」とは何か
アンガーマネジメントの手法を学ぶためには、まずはそもそも「怒り」とはどのようなものであるかを知ることが重要です。詳しく解説していきます。
本来は生存本能
目の前に敵が現れ、食うか食われるかの状況に陥った際、相手を襲うか逃げるかの判断を下すのが「怒り」の感情です。
古来では「怒り」とは生き抜くために必要な感情として、私達の身体に備わっていました。
しかしながら、現代においては昔のように日常的に命の危険に晒されることがまずなく、さほど強い怒りは必要のないと言えるでしょう。
その怒りの感情が「命の危険」とは関係のない状況で発生し、私達の発言や行動に悪い影響を及ぼしています。
感情の一種である怒りの発生を0にできないことに、イラ立ちを感じる方もいるでしょう。
ただ、それが生存本能に関わる原始的な感情であると理解すれば、どれだけ難しいことなのかよくわかります。
物事を思い通りに動かそうとする表現
生き抜くための本能的な感情であった怒りは、現代においては「何らかの要望を実現するための表現方法の一つ」として使われています。
このことは、ベストセラー「嫌われる勇気」の中でも触れられています。
本書の中では「怒りとは出し入れ可能な道具」であり、人は自分の主張を押し通すために「人は怒りを捏造する」とされています。
出典:Amazon
一次感情が許容量を超えると「怒り」になる
本来、命の危険を感じ瞬間的に発動していた「怒り」。怒りは第二次感情として溢れ出る場合もあります。
悲しい・寂しい・苦しいといった第一次感情が許容量を超えたときに、怒りとなって表現されるのです。
その怒りの裏側には、第一次感情を「わかってもらいたい」という感情があります。
仕事が忙しくて苦しいのに、その大変さやつらさをわかってくれない恋人や家族に対してイライラしてしまったり、怒ってしまったりしたという経験があるという方もいらっしゃることでしょう。
怒りは伝染するもの
怒りの感情は、人から人へ伝達します。近くで誰かが怒っている様子を見て、何か気分が悪くなったり、落ち着かない気分になったという経験はありませんか。
ある人の発する怒りの感情は、その感情に触れた他の人にも潜在的な怒りの感情を起こさせます。
上手くコントロールできなければ、仕事やプライベートにおいてまわりの人にも怒りの感情を伝染させていることを理解しましょう。

アンガーマネジメントがビジネスパーソンに必要な理由
1970年代に始まったアンガーマネジメントは、今日本のビジネス現場で注目を集めており、マネージャーなどの管理職や新入社員などを対象とした社内研修などでアンガーマネジメントの講習が頻繁に行われています。
ここからは、アンガーマネジメントがビジネスパーソンに必要な理由を解説します。
すぐにキレてしまうと仕事の弊害になる
感情に任せた行動や発言で、自分の評価を下げてしまったり、その場の雰囲気を悪くしてしまったといった経験はありませんか。
「短気は損気」といった言葉はあるように、「怒りっぽい」「キレやすい」という性格についてよいイメージを持つ人はほとんどいないでしょう。
仕事においては、怒りっぽい人=怖いというイメージを持たれてしまって部下からの信頼を得られなかったり、感情がコントロールできない人として昇進や昇格に影響が出てしまったりする可能性があります。
怒っている上司・部下に対処できる
アンガーマネジメントは、自分自身の怒りの感情だけでなく、他人の感情のコントロールにも応用できます。仕事においては、上司や部下が怒っている時にも適切に対処できるようになります。
例えば、アンガーマネジメントの手法の一つとして
・上司が怒っている時は正論は言わない
・部下が怒っている時は要望を汲み取る
というものがあります。上述した通り、現代においては人は自分自身の要望を実現するための感情表現として怒りを表します。
つまり、職場で上司や部下が怒っている場合には、怒りの裏側(第一次感情)には何があるのかを考えることで、怒りに適切に対処が出来ます。

正しく怒ると要望が通せる
記事の冒頭で述べた通り、アンガーマネジメントとは「怒らない」という精神修行ではありません。怒りの感情は上手に利用することで、プラスの方向に働かせることが出来ます。
ビジネスの場面においては、時には怒りの感情も表しながら相手に接することで自身の要望を通しやすくなることでしょう。
ただし、繰り返しになりますが、あくまでも怒りをコントロールしていることが重要です。感情に任せた行動や発言はただの「怒りっぽい人」となるので注意しましょう。
アンガーマネジメントを実践する5つのポイント
アンガーマネジメントは心理教育・心理トレーニングであり、その手法を身につけるためにはトレーニングが必要です。
具体的には、これから紹介するいくつかのポイントを意識して日々の生活を過ごすことで、だんだんと怒りに対処できるようになります。
怒りのクセや耐性を理解する
人によって「何に怒るか」「どの程度の出来事で怒るか」は異なります。アンガーマネジメントを行うためには、これを理解することが第一歩です。
怒りのクセや耐性は、思春期のころに決定すると言われており、その人が成長してきた環境や関わってきた人、特に親の影響が強いとされています。
自分自身の怒りをコントロールするのであれば、自分は何に対してよく怒っているのか、どの程度で怒りの感情を持つのか、について振り返ってみると良いでしょう。
怒りの衝動には「6秒間の我慢」で対処
怒りの感情は突発的に起こることも多いですが、その感情は長続きするものではなく怒りのピークは6秒程度であると言われています。
言い換えると、仮に強い怒りの感情を抱いたとしても6秒間ぐっとこらえてることで怒りをある程度抑えることが出来ます。
怒りを感じたその瞬間に、この「6秒間の我慢」を実践することは難しいことかもしれません。しかし、日頃からこの考えを念頭に置いておくことが、怒りたくないが怒りそうになった時の感情のコントロールに役立つことでしょう。
怒りの許容範囲を広くする
自身の怒りのクセを知ることで、いかに自分自身が些細なことで怒りを感じてしまうかと気づいたかもしれません。
「何らかの要望を実現するための表現方法の一つ」とされている怒りは、「こうあるべき(べきではない)」という自分の思いや願望が裏切られた時に発生します。
例えば、
- 恋人とは毎日電話するべき
- メールやSNSには出来るだけ早く返信すべき
- 何かをしてもらったら「ありがとう」と言うべき(何かをしたら「ありがとう」と言われるべき)
- 待ち合わせには遅れるべきではない
など、事の大小はあれど人は様々な事に対して自分なりのルールを持っています。
怒りっぽい・怒りっぽくない人の違いは、このルールの厳しさ(許容範囲)がポイント。つまりこの許容範囲を広げることがイライラや怒りの感情の発生を抑えることになります。
恋人や家族、同僚などとの関係を良好に保つためには、互いの許容範囲を共有することも有効な手段です。
例えば「予定に遅れる場合には連絡をしてほしい」「こういう時はこうしてもほしい」といったように伝え、あなたもまた相手の要望を聞くことで、お互いが相手を思い合う関係を築けるようになります。
要望は具体的に伝える
「本当はこうしたいのに(こうして欲しいのに)」といった要望が叶えられないことによる怒りは、その要望が叶えられることで収まります。
自分の思い通りにいかないことに腹を立て、要望を伝えることを疎かにしてはいないでしょうか。
「こうしたい」「こうして欲しい」と要望は具体的に伝え、無用な怒りで他者に迷惑をかけないようにしましょう。
どうにもならないことを割り切る
例えば遅刻しそうで急いでいるのに電車が遅延している、出かける予定があるのに天気が悪い、といった自分自身の力ではどうしようもないことに対して怒りを抱いてしまう場合もあるでしょう。
そのような場合には、「しょうがない」と割り切ってしまうことも大切です。
世の中の全ての事柄をあなたがコントロールできるわけではありません。
そして、よく考えてください。怒りを感ていじるのは、その物事自体ではなく一次感情や要望が満たされないことが原因ではありませんか。
電車の遅延や悪天候という事実を変えることが出来ないのであれあ、あなた自身の「考え」を変えるしかありません。その怒りの原因を分析すれば、それに対しての要求を手放しましょう。
一度、どうしようもないことは「しょうがない」と割り切ってしまうと、それだけで心が軽くなるでしょう
相手の反感を買うNGな怒り方
これまでの解説の通り、「怒り」の感情は適切に表すことでビジネスを円滑に進めたり、自分の要望を通すことが出来たりと、あなたのプラスに働きます。
その一方で、正しくない怒り方は全く逆効果であり、怒りの感情を表に出す時には「正しい怒り方であるか」を慎重に判断する必要があります。
自分が怒っていることをアピールしたいだけ
- ずっと前から思ってたけど
- 言いたくなかったけど
このような言葉を使うと、相手は「何でいまさら」という感情を持ちます。怒る時は今のことだけにするのがアンガーマネジメントの前提です。
その場にはっきりと言うことが出来なかったのであれば、その時は感情を抑え、また同じような状況になった時に改めて怒りましょう。
また、
- なんで連絡をくれないの
- どうして上手く出来ないの
といった言葉で怒ることは、相手を責めていることになります。「どうすれば出来るようになるか」を一緒に考え、互いがストレスなく関係を続けられる方法を考えましょう。
正確に伝えるのが面倒なだけ
怒る時には、自身の感情を正確に伝えることが重要です。
- いつも
- 絶対
- 必ず
- 誰でも
という言葉を使うと、相手は「いつもではないし、誰でもではない」と反論したくなります。
このような言葉を使うのは、正確に伝えるのが面倒なだけです。それでは、相手も怒って当然でしょう。
曖昧な表現
- もっと
- ちゃんと
- しっかり
- きちんと
といった曖昧な表現は受け取り方が人によって異なります。具体的にどれくらい「もっと」「ちゃんと」なのか、要望は具体的に伝えるようにします。
相手からすれば、「ちゃんと」やっていたつもりであっても、頼んだあなたの思う「ちゃんと」と誤差があれば不満につながります。
それでも怒りがコントロールできなかった場合には
アンガーマネジメントを実践しようと心がけていても、ついカッとなって相手や周囲を不快にさせる言動を取ってしまうことがあるでしょう。
そのような場合は、周囲の人に素直に謝ることが一番大切です。
そして、なぜコントロール出来なかったのか、自分は今何に対して怒ったのかを振り返り、次回同じような場面に遭遇した時にどのように対処できるかを考えてみましょう。
怒りはコントロールすればプラスになる
これまで解説してきたとおり、怒りはコントロールし、怒りと上手く付き合うことで、あなたにとって良い影響を及ぼします。
最後にアンガーマネジメントに効果を再確認しておきましょう。
行動の活力をキープできる
怒ることはエネルギーを使います。ひどく腹を立てたり激しく怒った後に、なんとなく脱力感を感じたりしたことはないでしょうか。
イライラして仕事が進まない、怒りが収まらずに寝られないなど、怒りが原因で普段の生活にも支障が出ることもあります。
アンガーマネジメントによって感情をコントロールすることが出来れば、余計なことで心を動かされたり、時間を使うことがなくなり、あなたが本来取り組むべき(取り組みたい)ことに力を使うことが出来ます。
「短気は損気」とはまさにその通りで、怒ることで一番損をするのは怒っている本人なのです。
他人のせいにしなくなる
アンガーマネジメントでは、怒りの原因はすべてあなたの中にあるということが前提です。
自身で怒りっぽいことを認識していながら、どこか「自分は正しい」「周りが自分を怒らせている」と考えてはいないでしょうか。
アンガーマネジメントの実践者の中には、怒りをコントロールすることで家族や同僚などの周囲の反応が変わった(優しくなった)という方もいます。
自分が変わることで世界を変えることの出来るアンガーマネジメントは、人生をより豊かにするために現代人に必要な考え方と言えます。