勤務間インターバル制度の導入事例!制度の普及で期待できることとは?

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2019年4月から、労働者のワークライフバランスの実現などを目的とした「勤務間インターバル制度」がスタートしました。

この記事では、勤務間インターバル制度の概要や普及における課題、国内の導入事例などを紹介します。

努力義務化された「勤務間インターバル制度」とは

出典:厚生労働省

2018年6月に成立した「働き方改革関連法」に基づき「労働時間等設定改善法」が改正されました。そして2019年4月からは、事業主の努力義務として「勤務間インターバル制度」がスタート。

勤務間インターバル制度は、終業時刻から翌日の始業時間までに一定時間の休息時間を設ける制度。

例えば勤務時間インターバルを11時間としている企業において、残業で23時に勤務を終了した場合、翌日の始業時間を10時に繰り下げられるような制度です。

一方で勤務時間インターバル制度はあくまでも「努力義務」であるため、ペナルティが課せられるようなことはありません。

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勤務間インターバル制度の課題は認知度の低さ

出典:平成30年 就労条件総合調査の概況

日本政府の目標として「2020年の勤務間インターバル制度導入企業10%以上」を掲げています。

しかし平成30年就労条件総合調査によると、同制度を導入する企業はわずか1.8%。目標達成までの道のりは遠いと考えられます。

同調査では、勤務間インターバル制度について導入を検討していない企業の理由も調査。もっとも多かった理由は「超過勤務の機会が少なく、当該制度を導入する必要性を感じないため」(45.9%)で、次いで多かったのが「制度を知らなかったため」(29.9%)でした。

この他には

  • 夜間も含め、常時顧客や取引相手の対応が必要(7.9%)
  • 人員不足や仕事量が多いことから、当該制度を導入すると業務に支障が生じる(9.4%)
  • 当該制度を導入すると労働時間管理が煩雑になる(6.2%)

といった理由が挙がっています。

中小企業向けの助成金も

勤務間インターバル制度の周知をはかるため、中小企業向けの助成金「時間外労働等改善助成金(勤務間インターバル導入コース)」も創設されています。

平成29年度には1,580 企業が助成金を活用しました。導入企業の負担軽減のための取り組みも進められています。

勤務間インターバル制度の導入事例

認知度の低さが課題となっている勤務間インターバル制度ですが、日本政府は助成金の創設や導入事例集の作成などで周知に努めています。


以下は厚生労働省の「導入事例集」に記載されている企業です。

ユニ・チャーム株式会社

出典:ユニ・チャーム株式会社

ユニ・チャーム株式会社では2017年より勤務間インターバル制度を導入。全社員を対象に、最低限の義務として8時間、努力義務として10時間の確保を定めています(就業規則により規定)。

パソコン画面上に退社を促すメッセージを定期的に表示したり、e-ラーニングによって周知徹底をしたりするなどして制度導入の準備を進めました。

ただ課題として、顧客との間で約束をしている業務があるときインターバルをどう確保するのかなどが浮上しているといいます。

株式会社フレッセイ

出典:株式会社フレッセイ

スーパーマーケット「フレッセイ」や100円SHOPダイソーのフランチャイズ等チェーンストアを経営する株式会社フレッセイでは、2016年4月より勤務間インターバル制度を導入。

導入以前より勤務間インターバルが概ね11時間以上確保できている状態だったため、特別な準備は不要だったといいます。

制度の対象は管理職を除く全社員。一律11時間の勤務間インターバルを定めています(労使協定により規定)。

TBCグループ株式会社

出典:エステティックTBC

TBCグループ株式会社は2017年より勤務間インターバル制度を導入。最低限の義務として9時間、健康管理上の指標として11時間と定めています。(就業規則に明記。かつ外部労働組合と「勤務間インターバル労働協約」を締結)

対象はグループ企業社員、有期雇用者を含む全社員です。ICカード及びクラウドによる労働時間管理システムを導入し、制度導入前の社内整備を進めました。

制度導入後はスタッフの時間管理意識が向上するなどのメリットがあった一方で、店長の月末〆作業の際にインターバルが確保できない課題もあります。

KDDI株式会社

出典:KDDI株式会社

KDDI株式会社は2015年7月より全社で勤務間インターバル制度を適用。

管理職を除く全社員には8時間の義務規定(就業規則に明記)、管理職含む全社員において11時間の健康管理指標(安全衛生管理規定に明記)を設定しました。

一方で緊急性の高い業務などには上長判断により適用除外とすることを認めるなど、制度に柔軟性を持たせています。

社会福祉法人聖隷福祉事業団 総合病院 聖隷三方原病院

出典:社会福祉法人聖隷福祉事業団 総合病院 聖隷三方原病院

社会福祉法人聖隷福祉事業団 総合病院 聖隷三方原病院では、2012年2月より勤務間インターバル制度がスタート。一律で最低11時間以上の勤務間インターバルを定めています(勤務計画表作成基準の中で規定)。

制度の対象は、変則交代制勤務を行っている看護職員全員。導入直後は家庭の調整が間に合わない従業員もいたそうですが、徐々に肯定的な意見が見られるようになりました。

AGS株式会社

出典:AGS株式会社

情報処理サービス・ソフトウェア開発を行うAGS株式会社では、2017年より勤務間インターバル制度を導入。全社員を対象に一律で11時間の勤務間インターバルを定めています(就業規則に明記。適用除外等に関する細かな規定は労使協定で締結)。

AGS株式会社では働き方改革として、2021年度末までに以下の目標実現を目指しています。

  • 有給休暇取得率100%
  • 所定労働時間内勤務(残業ゼロ)
  • インターバル出勤100%

一方で客先でシステム障害等が発生した場合など、適用除外の猶予も設けています。制度導入にあたっては勤怠管理システムの一部改修などを社内で対応しました。

本田技研工業株式会社

出典:本田技研工業株式会社

本田技研工業株式会社では、1970年代より「深夜業務における翌日出社時間調整」がスタート。

勤務間インターバル時間は、仕事の特性や通勤事情を考慮して以下のように柔軟に設定しています(労使協定で規定)。

  • 本社・営業:12時間
  • 研究所:10時間
  • 工場:9時間30分〜11時間30分
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勤務間インターバル制度が普及するEU諸国

EU諸国では勤務間インターバル制度が普及しています。


ここでEU諸国の制度について見ていきましょう。

最低連続11時間の休息時間を確保

EU諸国では「労働者に24時間ごとに最低でも連続11時間の休息期間を確保するために必要な措置を設けること」とされています。

例えばドイツ・フランス・イギリスでは11時間、ギリシャ・スペインでは12時間の勤務間インターバルが設けられています。

ただし特殊な業務の場合は特別措置を設けるなど、柔軟な対応が可能な状態です。特別措置の対象例としては、以下のような業務があります。

  • 保安・監視業務
  • サービス・生産の連続性を保つ業務
  • 観光旅行業務
  • 郵便業務

インターバルが「11時間」とされる根拠

EU諸国では勤務間インターバル「11時間」が基準とされています。これは一般的な生活時間に基づき考えられたもので、以下のような内訳となっています。

  • 睡眠時間:最低6時間
  • 通勤時間:片道1時間・往復2時間程度
  • その他生活時間(食事・入浴・身支度など):朝夜合わせて3時間程度
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勤務間インターバル制度普及で期待できること

勤務間インターバル制度が普及すると様々なメリットがあります。


以下で紹介します。

睡眠時間の確保

厚生労働省の資料によると、勤務間インターバル時間と睡眠時間には比例関係があり、勤務間インターバル時間が短いと睡眠時間も短くなる傾向があります。

勤務間インターバル制度導入により労働者の睡眠時間確保が進めば、健康状態の維持が期待できます。

仕事の質の向上

出典:厚生労働省

人は睡眠不足の状態が続くと仕事の質が低くなる傾向があります。

例えば人の顔を読みにくくなるなどの症状が現れることがあり、これは仕事でコミュニケーションをとる際にも悪い影響があるといえます。

勤務間インターバル制度導入により十分な睡眠時間が確保できれば、仕事上のパフォーマンスも確保でき、生産性の高い仕事につながるでしょう。

ワークライフバランスの実現

勤務間インターバル制度が導入されれば、一定の休息時間が確保できます。その間にプライベートの時間を充実させられ、休日を楽しむ精神的余裕も生まれるでしょう。

平日に適切な休息時間を確保できることで休日も楽しめるという「よいサイクル」が生まれると考えられます。

精神的ストレスの軽減

勤務間インターバル制度が導入されても、休息時間に仕事に関する連絡をしていると心身ともにゆっくりできない原因になります。

出典:厚生労働省

上図では、翌日の仕事への不安が高いと、深い睡眠段階にある時間が少なくなる傾向が示されています。

逆に言えば、休息時間は仕事の連絡を極力減らししっかり休息することで、翌日の仕事への不安などの精神的ストレスが軽減し、質の高い睡眠が取れる可能性があります。

過労死の予防

勤務間インターバル制度の普及は、長時間労働対策となります。「過労死ライン」といわれる「時間外労働時間80時間」超えを避けられ、労働者の健康状態の確保につながるでしょう。

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勤務間インターバル制度は労働者の健康を守る制度

2019年4月からスタートした「勤務間インターバル制度」ですが、努力義務ということもあり、なかなか周知が進んでいないのが現状です。


しかし勤務間インターバル制度によって睡眠時間が確保できると、健康状態の維持だけでなく仕事の質向上につながるなど、あらゆるメリットがあります。

ワークライフバランスの実現につながる制度として、今後普及することを期待したいですね。

以下では、残業時間削減に取り組む企業の事例を紹介しています。気になる方はチェックしてみてください。

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