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日本でも注目を集める休暇制度「サバティカル」をご存知ですか。
この記事ではサバティカルの概要や、企業がサバティカルを導入するメリット・デメリットを解説します。
ワークライフバランスを実現させたいと考えている人はぜひ参考にしてみてください。
サバティカルとは
サバティカルとは「長期休暇」のことです。
ここではサバティカルの語源や歴史的背景を解説しましょう。
サバティカルは「長期休暇」という意味
サバティカルは英語で書くと「Sabbatical」。「長期休暇」という意味を持ちます。語源は「安息日」を意味するラテン語「sabbaticus」です。
サバティカルは「サバティカル休暇」という使い方をされることも。
しかし「サバティカル」だけで「長期休暇」という意味があるため、「サバティカル休暇」は意味が重複しており、正しい表現ではありません。
1ヶ月から1年ほどの休暇が取れる
サバティカルは「使途に制限がない長期休暇」を指します。
休暇の取得期間は少なくとも1ヶ月で、1年ほどまでとされています。
もとは大学教授向けの休暇を指して使っていた
サバティカルには「特別研究期間」という意味もあります。
その起源は、1880年代のハーバード大学で始まった有給研究休暇だとされています。
ヨーロッパで退職防止策として一般企業にも導入され始めた
サバティカルを一般企業で取り入れたのはヨーロッパが先駆けとされています。
1990年代、ヨーロッパ企業では優秀な人材が次々と退職する事態に。その背景には、新たな価値観「ワークライフバランス」の登場がありました。

代表的なヨーロッパのサバティカル導入国はスウェーデン、フィンランド、フランスなど。中でもスウェーデンは国の制度として導入しています。
給与がもらえるかは企業次第
サバティカルが国によって定められた制度でない場合、概要の決定権は企業にあります。
例えばサバティカル中で給与が発生するかどうかも企業次第。
また、一般的には「使途に制限がない長期休暇」とされてはいますが、ある程度制限を設けるといったことも可能でしょう。
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サバティカルのメリット
「人生100年時代」「ワークライフバランス」「働き方改革」が叫ばれる日本国内でも、このサバティカルに注目が集まっています。
では、企業がサバティカルを導入すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは6つのポイントで解説します。
長期休暇でこそ得られる経験がある
サバティカルは基本的に、少なくとも1ヶ月以上の休暇を取ることができます。
その間、これまで仕事に追われてできなかったことや、自分のこれまでのキャリアを見つめ直したりする時間に充てられるでしょう。
中には他企業インターンに参加する人も。サバティカル中に新たな経験を積むことで、復帰後に広い視野を持って仕事に励むことができるでしょう。
スキルアップにつなげられる
サバティカルは一般的に「使途に制限のない長期休暇」ですが、個人のスキルアップ・キャリアアップにつながる制度として注目されています。
経産省も「学び直し推進」の一つとしてサバティカルを推奨
実際に、2018年3月に経済産業省が発表した「我が国産業における人材力強化に向けた研究会」の中でも、「リカレント教育(学び直し)の推進」の一つとしてサバティカルについて言及しています。
スキルアップの費用をサポートする導入企業も
サバティカルを導入する企業の中には、休暇中専門知識を学ぶ社員に費用を援助するケースもあります。
また、休暇中の給与がない代わりに、スキルアップの補助金として経済的にサポートする場合も。
学習意欲が高く「なかなかスキルアップの時間がもてない」と感じている社員にとって、サバティカルは良い機会となるでしょう。
心をゆっくりと落ち着かせられる
仕事に追われる毎日の中で、自分を見つめ直す時間を十分に取れる人は少数でしょう。
しかしサバティカルが取得できれば、心をゆっくりと落ち着かせる時間を持て、リフレッシュできます。

企業側にとっては、優秀な人材を長期的に確保する観点からも、サバティカル導入はメリットになります。
介護や病気による離職を防げる
エンジャパンが行なったアンケートによると「退職を考え始めたきっかけ」の9位に「体調を壊した」、13位に「結婚・家庭の事情」が挙がっています。
また、超高齢化社会に突入している日本では「介護離職」が社会問題化。内閣府の調査によると、介護離職は2007年から2017年の10年間でおよそ2倍に。近年の傾向として正規社員の介護離職者が増えています。

このような社員を多く抱える企業にとっては特に、サバティカル導入はメリットとなるでしょう。働き方を柔軟にし、介護を両立させる手助けとなります。
また合わせて、「短時間正社員制度」や「リモートワーク」導入の検討も必要になるでしょう。
以下の記事ではリモートワークのメリット・デメリットが紹介されています。気になる方は読んでみてください。

企業のイメージアップにつながる
日本国内では、一度入社すると長い休みはなかなか取れないイメージが強いです。
そのような中で、サバティカルを導入する会社はイメージアップにつながります。求職者が企業を選ぶ点でも評価ポイントとなり、就職希望者が増える可能性も。

このようなインパクトあるPRも可能となるため、求職者にリーチする上でのメリットになるでしょう。
ワウデザイン株式会社のサバティカルについては「サバティカル(長期休暇)を導入している日本の企業を紹介。導入にあたっての重要なポイントも解説(リンク挿入)」でも紹介しています。
業務フローの整備につながる
社員がサバティカルを取得する際は、周囲の社員への業務引き継ぎが必要になります。ここで重要となるのが、業務フローの整備です。
サバティカル導入をきっかけに業務フローが整備・可視化されれば、事務作業の効率化やリモートワーク導入といったコストの見直しもしやすくなります。

サバティカルのデメリット
サバティカルは企業体制が整えられていないと、導入によって混乱を招くことも。
ここではサバティカル導入のデメリットを3点解説しましょう。
仕事への復帰が難しい
サバティカルでは基本的に、少なくとも1ヶ月の長期休暇を取得します。1ヶ月のブランクを経ることで、職場復帰が難しくなるケースもあります。
そのためサバティカルを導入する際は、社員が復帰しやすい環境づくりに力を入れなければなりません。例えば
・サバティカル導入の趣旨や概要を社員に丁寧に説明する
・上長が率先して休暇を取得し、例を見せる
など。誰もがサバティカルを取得しやすく、復帰しやすい環境づくりに工夫しなければなりません。
新しい職種へ興味が湧いてしまい離職してしまう可能性がある
サバティカルのメリットとして「長期休暇でこそ得られる経験がある」と挙げましたが、これはデメリットにもなり得ます。
例えばサバティカルを利用して他企業インターンへ参加したり、副業を始めたりすると、その分野への興味が強くなり離職してしまうケースも考えられます。
自分を見つめ直し、もともと興味のあった職種へチャレンジする意欲が湧くこともあるでしょう。
企業によっては生産性が低下してしまう
サバティカルを取得したのち、復帰しやすい環境が整えられていなければ、生産性が低くなる要因となります。
また、代わりに業務にあたる周囲のメンバーに過度な負担がかかる事態も避けなければなりません。
取得した社員が肩身の狭い思いをしないように、会社全体のマインドを変える必要も出てくるでしょう。
日本でサバティカルを導入している企業はまだ少ない
「働き方改革」が推進されている日本国内でも、サバティカルに注目が集まっています。しかしまだ導入する企業は少ないのが現状。
以下の記事では、そんな中でもサバティカルを導入している企業が紹介されています。参考にしてみてください。